岡本菜穂と建築家・工藤桃子。二人の自由の探求者、これからの表現の形

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7月13日、ブランド初となるSIRI SIRIの路面店が完成しました。オープンを記念し関係者を招いて行われたセミクローズドオープニングイベントでは、新店舗の設計を担当した建築家の工藤桃子さん(MMA Inc.)、モデレーターに『AXIS』編集長の上條昌宏さんをお招きし、SIRI SIRI代表のデザイナー岡本菜穂とともに店舗設計についてのトークが繰り広げられました。

建築、ジュエリーとクラフトの関わり

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上條:デザイン誌『AXIS』編集長の上條です。デザイン誌とともにWebマガジンも制作しており、工藤さんには、Webマガジンで展開している連載「窓際の記憶」の第1回に登場いただきました。岡本さんとは雑誌はもちろん、弊社が運営するインテリアショップのLIVING MOTIFを通じてもお付き合いさせていただいています。

実は今日、ここにくる前にLOEWEのクラフトプライズ展のトークイベントに出てきたんです。これはLOEWEが職人の技や価値を未来に継承するために世界中のクラフト作家を支援したいと立ち上げたのですが「クラフトとは何か」をすごく考えさせられました。

そこでまずは、それぞれのフィールドから建築やジュエリーデザインとクラフトの関わりをお話いただけますか。SIRI SIRIはもともと素材や職人さんの技で紹介されることが多く、工藤さんは会場構成された「日本の建築の遺伝子」展の「建築における工芸」で利休の「待庵」を紹介されており、素材からインスピレーションを受ける機会が多いと伺っています。

岡本:工藤さんとは一緒に素材の産地に行ったり、情報交換をしたりしていますよね。

工藤:そうですね。私の場合は工業製品とクラフトの対比になると思います。建築は工業製品が多く、完成物からはどこまで人が関わったかが見えにくいですよね。ですから設計する時は、人が関わった跡を感じられるものにしたいという思いがあります。クラフトも大好きなので、そのクラフト感というか。

岡本:例えばタイルもそうですよね。クラフトと工業製品の間にはグラデーションがあって工業化以前は手づくりに近く、焼き加減によるムラなどもありました。今は工業化されて均一になりましたが、それでも工藤さんは素材自体のよさがあるものが好きだし、私も素材の持つ表情、工業化以前のタイルのようなものが好きなんです。

上條:デザインはいかに設計図の通りにつくるかが重要ですよね。工芸やクラフトは考えた人とつくる人が同じ場合が多いですが、建築やデザインはアイデアを考えた人と図面を描く人とつくる人は別。建築やデザインはそこに魅力があり、クラフトは一人で完結するから100%の想いを注げることが決め手なのかなと。

岡本:この壁は何塗りと言うんでしたっけ。その辺も図面にはないものですよね。

工藤:刷毛塗りです。私は設計する際に揺らぎをどう入れるかを考えるんです。イメージ、図面、現場とどんどん手を離れていく中でどうすれば並走できるかと考えた時に、素材感ならできるなって。他は指示が要るので図面が必要ですが、仕上げのニュアンスなら職人さんと決められますからね。この床も工場で一緒に配合を決めたんです。

上條:この床、すごいですよね。

工藤:硝煙墨という炭のパウダーと雲母という大理石の光る部分を集めたパウダーを混ぜたものです。既存床のコンクリートが見えますよね。最初から二層予定だったので、二層目の色目をより黒くしました。

 
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上條:均一な仕上げを求めるブランドもある中で、SIRI SIRIはそうじゃないんですね。わりとランダムというか大雑把というか(笑)。

岡本:全然チェックしなかったですからね(笑)。私はむしろひび割れや傷のような跡が好きだし、工藤さんとは素材自体のよさや建物の歴史を残したいという気持ちが共通しているので。そもそも私がスイスにいて頻繁な打ち合わせがしにくかったので、細かい部分のアプルーバルを取らなくても良い、自然と共通認識がとれてる方でないとダメだったんです。でも、本当にいい店舗にしてくれました。

路面店をもった理由と物件探しの裏話

上條:そもそもの話ですが、なぜブランド設立13年目で初の路面店を持つに至ったのですか。

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岡本:遡ると、SIRI SIRIはスパイラルのアートフェアに出店したのが最初でした。金属アレルギーの自分用のジュエリーとして、自分のアートピースという認識でいたのでブランドにする気はありませんでしたが、当時TOMORROWLANDのPRだった方が声をかけてくださって。それがきっかけで商品化したので、始まりは卸売なんです。そういう初期からお付き合いのある方とは今も取引を続けていますが、現実問題として、直販じゃないと職人さんに適切な対価がお支払いできないんです。そこはSIRISIRIの根幹なので、やはり直営でやる必要があるだろうと。また理念や商品の説明が難しいだけに、単なるファッションという認識のお店だと正しく伝わらないことがあるので、直接お話できる場所がほしいよねと。そこで以前の西麻布のオフィスをショールームにし、店舗にして……と段階を踏んできました。ただ、近年はさらに商品数も増え、SIRI SIRIだけの空間がほしいと考えたんです。

上條:物件探しは自らされたのでしょうか。スイスで学生をされており、頻繁な帰国は難しいかと……。

岡本:なので、ここも3日前に初めて見ました。もちろん、なかなか帰れない間も帰国すればかなり物件探しをしたんです。でも、いい物件が全然見つからなくて。少し遠くてもお客さまに楽しんでいただける空間にする自信はあったし、立地のよさにはあまり拘らなかったんですけどね。結局見つからないまま期限が来てしまい、共同代表と工藤さんに任せちゃいました。物件は共同代表が見つけたんですが、最終決定は共感点の多い工藤さんにも見てもらってからにしたいなと。それで工藤さんにリモートで見せてもらったら、立地だけでなく、空間もよくて。

工藤:PCを持ってぐるっと中を見せたんですが、あんな風に物件を見せたのは初めてですよ。

岡本:桑沢で空間デザインを勉強していたので、モニター越しでも梁や柱のことはだいたいわかりますから。あとは現場の目を信頼して、工藤さんに決めてもらいました。スケール感も似ていますしね。

上條:みなさん、この「スケール感」の意味はわかりますか? 一般的なスケール感の意味もありますが、お二人の背が高めだという意味もある。それがディスプレイの高さの基準になっている、と。

工藤:でも、その背伸びしてディスプレイと向き合う緊張感がSIRI SIRIの雰囲気と相まっていいかなと。

上條:ブランドの空間とは、そのブランドの世界観を体現する場になると思いますが、工藤さんは自分の中でどの程度ブランドを咀嚼して落とし込まれるんですか?工藤さんの考えるSIRI SIRIについてお聞きしたいですね。

工藤:友人に紹介されてLIVING MOTIFで藤のバングルを見たのが最初でしたが、その時はクラフトや手工芸の印象がありました。深く知ったのは岡本さんと知り合ってからです。でもプロダクトは最初の印象とは違ってすごく洗練されて、詩的になっていました。SIRI SIRIのジュエリーは置いてあるのもいいですが、今日の岡本さんのように、つけている人を見ると欲しくなるんです。ジュエリーはプロダクト自体に惹きつけられることが多いものですが、人を介しても美しい、人を介すとより魅力的に見えるのがすごい。そこがこのブランドの本質だと思います。ただブランドについては、ショップのデザインを頼まれてから改めて調べ直しましたね。どんなきっかけでブランドが始まったのか、などは知らなかったので。

ブランドを空間で表すための旅

上條:なるほど。店舗をつくるにあたって昨年はスイス、今年はミラノ、国内だと北海道や長野をお二人で旅されましたよね。お店の骨格はその間の会話を通じて生まれたものでしょうから、その時のお話も聞かせてください。

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工藤:最初のスイスは視察で一緒に回りました。この時は物件もすぐに決まると思っていたので、とにかくインスピレーションを共有する旅にしようと。

岡本:工藤さんが私を訪ねて来てくれて、私が住むベルンのパウル・クレー美術館やチューリッヒのデザインミュージアムなど、いろんな場所に行きました。

上條:デザインミュージアムの写真を見ると、水色の壁が店舗の後ろのブルーグレーの壁に似ていますね。

岡本:そういえばそうですね。それから、レンガの雰囲気や無駄のない直線も好きなんですよね。スイスでは地元の家具メーカー・ヴィトラのミュージアムにも行きました。安藤忠雄さんをはじめ、世界的な建築家の作品があるキャンパスツアーに参加したんです。

工藤:ガイドさんの日本愛がまたすごかったよね。「禅アーキテクトだ!」って興奮しながら案内されていて。敷地にはザハ・ハディドなどの建物もあって、とても豪華でした。

上條:このあたりのエピソードは、SIRI SIRIのWebマガジンに詳しく書かれていますね。

岡本:工藤さんと原風景の話をしている時にスイスの湖が出てきたんですが、無意識で、この水面のような雰囲気を持つ床の仕上げにも出ていたのかも。あと、ざらざらな壁も好きなので、工藤さんにはひたすら「ざらざらが好きで」と話しました。

工藤:「ざらざらとは?」って最初はなりましたけどね(笑)。

上條:このお店のイメージの一つには、パウル・クレーのペインティングもあったそうですが。

岡本:はい。私はベルン近郊の生まれだという画家のクレーが大好きなんです。そのキャンバス内に線や構造物の点在する感じが、店舗の什器を構成する複雑な直線を拾うと似ているなと思って。それでこの写真を撮って「こういうイメージだよね!」って送ったんですよ。

工藤:突然すぎて最初はわからなかったんですが、よく見ると、確かにペイントの抽象的なボリュームやラインが、この店舗を書き起こしたらこうなるのかも、と思わされる感じで。

岡本:工藤さんもクレーが好きだから、絶対これだって思ったんです。

工藤:岡本さんの示し方はかなり面白くて、都度講評を受けるかのようなんです。これだよねって言われると「そうかも」と自分の発見にも繋がるのでいつも面白かったですよ。

上條:岡本さんが根室に行って自然に対する価値観が変わった、という話もあるんですよね。

岡本:私は東京生まれで、自然のコントロールできない部分や厳しい面がずっと怖かったんです。自分の人生観にも関わっているくらい。だから人工物のほうが好きなんですが、根室の自然は野性的で広々としていて近く感じられて。空間づくりには、共通していいと思うものやこんな生活がしたいという好みを知ることが大事です。だから工藤さんとの会話の間にも新しいことを考えたし、根室の自然を経験したからこそ、こういう雰囲気になったのかもしれないなって。

工藤:そこが意外だったんですよね。岡本さんのプロダクトは有機的なモチーフが多いので、自然からのインスパイアかなとずっと思っていて。それが長野に行った時、雄大な自然を前に「自然が好きじゃないんだよね」って宣言するから驚いたんです。ただ根室で関わったプロジェクトがあり、自然が大好きな私が感動したからぜひ一度来てほしいと。デザインする人なら絶対何かのインスパイアをうけるからと、自然が嫌いなのに無理やり連れて行ったんです。

岡本:そのお陰で、根室は他と違って好きだと感じられたわけです。

工藤:ちなみに岡本さん、普段のインスピレーションはどこから?

岡本:地下鉄とか。電車が好きなので、地下鉄自体の構造や地下鉄を歩く時の雰囲気のように工業的な物からのインスパイアが多かったですね。初期は特に。

上條:工藤さん、従来の設計プロセスと比較して今回の特異点やユニークな点、新たな挑戦となった点を教えてください。

工藤:設計におけるクライアントワークって、設計者が依頼主と走るものだと思うんです。依頼する側、される側という関係性はあっても、デザインが変わることもあるので、岡本さんは人となりをよく知っているのでやりやすかったです。ただ、クレーの写真を送ってくるような挑戦的な依頼主なので、当初はその情熱にどう応えるかというプレッシャーがありました。でも、対話を続ける中で設計がまとまっていった気がします。あと、構造段階では特に何かということはなかったんですが、小さなジュエリー用の什器を置いた図面を見せた時に、「ダイナミックさを忘れてる」と言われてああそうだったと。信頼されていることでもっとやってもいいんだ、という安心感が引き出された覚えがありますね。ですから私も完成がすごく楽しみだったし、自分も想像できない店舗になったと思います。

完成した空間の細部を語る

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上條:ただ、建築は1分の1の試作ができませんよね。実際に空間に入っての確認はできないので想像と違う場合もあると思いますが、この空間は想像を超えていましたか。

工藤:はい。職人さんを信頼しているのでマイナスはほぼないですが、超え方にはやっぱり幅があります。その意味では、今回は大きく超えていました。面白かったのが、初めて店舗に足を踏み入れたSIRI SIRIのスタッフがみんな「床はこうなってたんだ」と仰ったことです。小さなサンプルだと確かに想像できないですよね。想像されるのは依頼主さんなので、その驚きがどちらに転ぶかは毎回ドキドキします。

上條:岡本さんが初めてこの空間に足を踏み入れた時の印象は?

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岡本:うれしかったです。什器の大きさを言ったものの、気にはしていたんです。でもさすが、スケール感のあるダイナミックな形にまとめてくれたなと思いました。一緒に過ごして工藤さんは繊細であることがわかっていたんですが、例えばこの曲線などは指示していないですから。自分の感性で加えてくれていて、その組み合わせがぴったりだったと思います。壁の塗り方もそうですね。ジュエリーを置くだけでエレガントに見える表情があるのがすばらしいです。

上條:レジ周りの小屋風の場所も居心地がいいですよね。自分の居場所を見つけたい時に、つい足が向かうような空間で。

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工藤:この物件はもともと歯医者さんで、普通の事務所空間だったんです。奥がオフィスで、今小屋がある場所から抜けて見える構造でした。オフィスとショップの機能をどうつくるか考えていた時に、SIRI SIRIはオフィスでもジュエリーを製作されるので、ショップとゆるく繋げないかと出した案が小屋です。天井を低くして、ショップの高い天井とのギャップをつけたことで居心地のよさが生まれたのだと思います。逆にオフィスへとつなぐ機能としては、レジなどの販売機能ですね。ショップを非現実的な空間にしたかったので、お金関連の現実的なものはすべて小屋にまとめたんです。周辺を打ち合わせスペースにするか迷ったのですが、完成した後でベンチに座ってカウンターにいる人と話しているのが気持ちよく、最終的には何もない空間のよさを感じられる場所になりました。設計する時は、用途が何もない空間を一つ入れたいと思っていて。それで、物が溢れる空間に人の拠り所になる抜けを意識的につくるのですが、今回はそこが小屋になったんだと思います。

上條:工藤さんが空間設計と什器を担当され、什器の一部は岡本さんが制作されたんですよね。

岡本:はい、大学で。探しては報告して、を繰り返しましたがなかなかいい什器がなくて。大学院の工房でつくればいいんだと閃いて、90度の曲げ技術を会得してつくりました。組み合わせを変えると形を変えられるのですが、スイスの先生たちにも人気でしたよ。

上條:商品化してもいいのでは。この鏡もすごくいいですよね。マギネット式のヒンジの動きがとても気持ちいい。

工藤:設計・施工・プロダクトを一貫してされているBP. HAND MADE TOKYOというブランドで、東京の町工場でつくること、規格品で構成することをコンセプトにされているんです。

岡本:店舗づくりに関わってくださった方もご紹介しましょうか。床を施工していただいた中村塗装工業所と、布地をご提供いただいたKvadrat(クヴァドラ)さんです。この張り地と赤い布はミラノサローネでインスピレーションを受けたもので、ミラノデザインウィーク中にKvadratさんの展示に工藤さんと行って選びました。

工藤:そうですね。Kvadratさんでは最終的に2種類の赤で迷いました。

上條:最初から赤だったんですか。

岡本:黒と水色だとコンサバになりがちなので遊びを入れたかったんです。もともと水色系、黒と赤が好きなのでアクセントとして入れたいと言ったら、工藤さんが「このどっちかじゃない?」とパパッと赤いのを2色選んでくれて。すごく早かったですよ。

工藤:水色と言えば、岡本さん用の最終サンプルの壁のブルーが画面と本物でかなり違ったので、伝えるのに工夫しました。床と壁にはかなりこだわったので、壁だけでも10種類はサンプルをつくってもらいましたね。

上條:壁のざらざら感はガラスビーズですよね。

工藤:はい。壁に影を感じるような立体感の出る左官材が好きなので、よく左官を使うのですが、施工に時間がかかるのと職人さん集めが大変で。それで今回はペイントにしたんですが、平面的に見えやすいので、塗装材の輸入や開発をされているペンキ専門ブランドのCOAT LLC.にオリジナルでSIRI SIRIブルーを配合してもらいました。色調はもちろん、ビーズの大きさで表情が変わるので繊細に見えるざらざら感を意識しました。

上條:空間の中で最もお気に入りの部分は?

岡本:小部屋の手前から見ると、部屋が重なりあってリズム感を感じられるところです。本当に建築家ならではの作品だなと思いました。

上條:工藤さんのお気に入りは?

工藤:ベンチから見る、穴の向こうのショップの景色です。非日常を切り取った窓から見ているようでいい景色だなと。

上條:ちなみに竣工写真はどう指示して撮っていただいたんですか。

工藤:弊社がお願いしている写真家の牧口英樹さんは作家さんで竣工写真専門ではないので、毎回彼に空間を感じてもらって撮ってもらうんです。まだどんな感じかはわかりませんが、すごくいいものが撮れたと聞いているので期待しています。

岡本:ちなみにSIRI SIRIの写真を撮ってもらっている伊丹さんも作家さんなので、毎回作家性優先でお願いしています。建築もジュエリーも、デザインに関わる方の作家性は今後もっと大事になるというのが二人の共通認識ですね。情報はたくさんある時代だけに、人のスキルや好みが価値を持つはずなので、そこを大事にしたい気持ちがあります。

上條:岡本さんがものをつくる時は職人さんとの協業になりますが、そこも相手にすべて委ねるのですか。

岡本:どうでしょうね。ガラスの場合は綿密にデザインを描きますが、籐だとラフくらいで図面は描かないです。ラフを渡して、あとは職人さんのご経験やご自身なりのフィードバックでお願いしています。特に籐のしなやかさは頭の中だけでは想像できないんです。私が作家としてつくらないのは、自分のイメージを越えたものが見たいからなんですよね。だからこそ職人さんと一緒にやっているので、逆に図面通りだといいものはできない気がします。

SIRI SIRIがつくる小さな空間の構想

上條:この店舗が完成して、改めてご覧になった今、スペースデザインを学ばれていた身としては自分も建築を手がけたいと思われませんか?

岡本:LIVING MOTIFの展示で会場構成や什器のデザインをしたくらい好きではありますが、住宅だとリアリティが出すぎて得意じゃないんです。でもホテルのような非日常な場所にはすごく興味はありますね。

上條:SIRI SIRIホテルとか?

岡本:構想はあります。SIRI SIRIのスタッフに毎週共有するアジェンダには、毎回建築部門を書いているくらい。どう生活していきたいか、どう生きていくかは空間と密接に関わる部分ですが、小さい空間ならそれを表現できるんじゃないかなと。だからイメージはあるんですが、運営が大変そうなので、どこかと組むことになるのかもしれません。

上條:ホテルは泊まる行為が発生する分、夜通しずっと触れられるのでブランドとのより親密な関係性が生まれますよね。今いろんな業種の方がホテルに参入されていますが、理由の一つはそれでしょうし。

岡本:建築は、私の中では総合芸術なので憧れがあるんです。先日映画で見たマリメッコも最終的にはまちづくりに関わろうとしていましたから、このプロセスはクリエイターにつきものなのかもしれませんね。

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上條:ここはオフィスであり、ものをつくる場であり、売る場でもありますが、今日のように人が交わる場でもあります。あとはベッドと浴室があればホテルができそうですね。Webマガジンも含めて多様な接し方ができるSIRI SIRIですが、オープンしたばかりの新店舗は、ブランドが成長する上での発信拠点にもなるはずです。商品に触れられることは大きいですし、今後もさまざまなアクティビティやコンテンツを発信されるそうなので、ぜひみなさん見守っていただければと思います。

文 木村 早苗

写真 伊丹 豪

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